外壁塗装用塗料や外壁材などの機能説明でよく聞く言葉「メンテナンスフリー」。
”メンテナンスフリー”と聞いてしまうと、「メンテナンスフリーの塗料や外壁材を使えば、全くメンテナンスは必要ないはず」と思ってしまう方も多いと思いますが、残念ながら全くメンテナンスが必要ない塗料や外壁材はありません。
しかし、塗料や外壁材の選び方次第では、メンテナンスフリーに近づけることができます。
そこで今回は『外壁塗装のプロ』が、メンテナンスの手間やコストを大幅に省くことができる「メンテナンスフリーに近い高性能な塗料と外壁材」の賢い選び方について解説します。
メンテナンスフリーという言葉に対する誤解
「メンテナンスフリー」と言われている外壁材や塗料は、非常に高い耐久性を有しています。しかし、どんなに優れた塗料・外壁材であっても、時間の経過や外部要因によって必ず劣化してしまいます。
耐久年数が長い外壁材といわれる「サイディング」の場合でも、パネルの継ぎ目を埋めているコーキングの劣化を防ぐことはできません。
長期間メンテナンスしないとコーキングにヒビ割れや剥がれが生じてしまい、割れ目から内部に水が浸入してしまいます。新築から10年程度でコーキングの補修が必要になります。
また、塗装の表面を覆う塗膜が劣化すると外壁表面に白い粉が着くチョーキング現象・ヒビ割れ・変色などの症状が現れてきます。
耐久性に優れた塗料・外壁材はメンテナンスフリーと呼ばれることが多く、広告や業者の営業トークでは、まるで全くメンテナンスが不要な夢の素材であるかのように宣伝されています。
しかし、実際はどんな塗料・外壁材でも必ずメンテナンスが必要なのです。
塗装業者によっては「この塗料を使えばメンテナンスが要らない」といった営業トークで、言葉巧みに塗り替え工事を勧めてきますが、騙されないように注意してください。
コーキングの劣化
コーキングに割れが生じてしまうと、割れ目から内部に水が浸入してしまいます。
チョーキング現象
塗装表面の塗膜や塗料の樹脂が劣化し顔料がチョークのような粉状になっています。
※サイディング外壁の代表的な劣化サインについては、下記の記事に詳しい解説がありますので参考にしてみてください。
メンテナンスフリーに近い高性能な外壁材
ここからは耐用年数の長い耐久性に優れた外壁材をご紹介します。これらの外壁材は、効果的なメンテナンスをすることで半永久的に使い続けることも可能です。
金属系サイディング
ステンレス・ガルバリウム鋼板・アルミなどの金属系サイディングは外壁材の中でも、耐久年数が長くメンテナンス性に優れた外壁材です。
特に、ガルバリウム鋼板はメンテナンスフリーの外壁材として宣伝されることが多く、施工単価も安いことから金属系サイディングの中でも人気のある外壁材です。
ガルバリウム鋼板は1970年台にアメリカ合衆国で開発されたアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板であり、近年、住宅の外壁や屋根などの外装材料として普及が進んでいる素材です。
ガルバリウム鋼板のめっき皮膜の寿命は、工業地帯や田園地帯で約25年以上、海に近く塩害を受ける地域でも約15年と他の金属鋼板素材と比べ寿命が長く、サビによる腐食に強く耐久性の高い金属素材です。
同じくサビに強い耐食性鋼材として広く使用されているステンレス鋼板に比べ価格が大幅に安いことから、ステンレス鋼板からガルバリウム鋼板への切り替えの動きが進んでいます。
また、ガルバリウム鋼板はサビに強く耐久性が高いこと以外にも、重量が軽いため地震に強く耐震性に優れているという特長があり、耐震性の面でもメリットが多い地震に強い外壁材であると言えます。
ガルバリウム鋼板は千葉県の地域性・ニーズにマッチした外壁材
ガルバリウムの外壁材は、金属系サイディングの中では、千葉県の気候性とニーズにマッチした建材です。
私たちの住む千葉県は、三方を海に囲まれ塩害を受けやすい地域ですので、金属製の建材の腐食と劣化が進みやすい地域であると言えます。
また、千葉県は将来発生するであろう首都圏直下型地震の被害を受ける地域でもあります。
金属としては耐塩性・耐食性が高く、軽くて耐震性の高いガルバリウム鋼板外壁材は、千葉県の方におすすめの建材であると言えます。
ガルバリウム鋼板の外壁材|3つのメリット
ガルバリウム鋼板の外壁材には主に以下のような3つのメリットがあります。
- 金属としてはサビに強く耐久性が高いため、千葉県のような海に近い塩害地域でも使用できる
- 重量が軽いため耐震性が高い、地震が多い日本に適した優れた建材である
- 同じく防食性の高いステンレス鋼板と比べ価格が大幅に安い
金属系サイディングの耐用年数
- アルミ:30~35年
- ステンレス:40~45年
- ガルバリウム鋼板:25~30年
※ガルバリウム鋼板の外壁材については、下記の記事に詳しい解説がありますので参考にしてみてください。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、塩化ビニール樹脂が使用されたサイディングです。
樹脂系サイディングは、サイディング外壁の中で最も耐久性に優れており、ヒビ割れし難いのが特徴です。また、塗り替えや継ぎ目のコーキングが不要なので、メンテナンスフリーに近い外壁材といえます。
しかし、施工価格が高額であったり、耐火性能が低く、北米では約50%ものシェア率を誇っていますが日本国内ではあまり普及していません。
樹脂系サイディングの耐用年数
- 樹脂系サイディング:40~50年
タイル
タイルは石や砂(長石・粘土)を高温で焼き固めた外壁材です。
タイルは傷がつき難く、紫外線による変色や色褪せといった経年劣化もほとんどありません。サイディングなど他の外壁材と比べ耐久性が高いのが特徴です。
非常に硬く、水分をほとんど吸収しないため、外壁材の中でも屈指の耐久性を誇ります。
しかし、タイル自体はメンテナンスフリーの外壁材と言えますが、外壁材と外壁材のつなぎ目にあるコーキングが劣化をします。
継ぎ目、コーキングの劣化により水がタイルの裏側に侵入し「浮き・剥がれ」が発生することがあるので、定期的な点検やメンテナンスは欠かせません。
コーキングの寿命は8年~10年なので、10年前後を目安にコーキングの打ち直しなどのメンテナンスをする必要があります。
タイルの耐用年数
- タイル:50~80年
レンガ
レンガは紫外線に強く、素材自体は100年以上持つ外壁材です。外壁材の中で最もメンテナンスフリーに近い外壁材と言えるのがレンガです。
しかし、レンガを積み上げる際の接着材である目地材にモルタルが使用されているため、モルタルの部分がヒビ割れを起こしたりします。定期的にモルタル部分のメンテナンスや部分補修が必要となります。
レンガの耐用年数
- レンガ:50~80年
外壁をメンテナンスフリーに近づけるポイント
レンガやタイルは、メンテナンスフリーの外壁材と言えますが、接合部分のコーキングやモルタルの劣化による補修やメンテナンスが必要になります。
外壁材自体がメンテナスフリーであったとしても、外壁全体ではメンテナンスが必要になるのです。
しかし、外壁材の弱点を補うことで可能な限りメンテナンスフリーに近づけることは可能です。
次に、外壁をメンテナンスフリーに近づける2つのポイントを解説します。
ポイント(1)|耐候性の高い塗料を使用する
金属サイディングは素材自体の耐久性は高いですが表面の塗装が劣化をします。そのために、定期的に塗り替えを行う必要があります。
例えば、耐久性の高い金属系サイディングであるガルバリウム鋼板は、塗装によって鋼板の表面に塗膜を作り、塗膜がバリアの役目を果たすことで、金属でありながらサビや腐食に対しより強い素材です。
同じガルバリウム鋼板でも、塗装の種類によってグレードや性能が異なり、塗装の耐久性や持続性も違ってきます。
金属系サイディングの外壁材自体の耐用年数は25~45年と非常に長いですが、塗装が10年~15年ほどで劣化しますので、完全にメンテナンスフリーという訳には行きません。
塗装表面の塗膜が劣化し、金属面が露出してしまった状態で、塩分を含んだ雨水や風が当たると、金属サイディングの表面がサビてしまいます。
サイディングに使用されているガルバリウム鋼板やアルミはサビ難い素材ですが、塗膜が剥がれコーティングされていないとサビが発生します。
サビが進み金属が腐食してしまうと、サイディングを取り替えなくてはいけなくなってしまいます。
耐久性に優れる金属サイディングですが、定期的な外壁塗装の塗り替えによるメンテナンスは必要になります。
耐久性の高い優れた外壁材でも、耐久性の高い優れた塗料を使わないと宝の持ち腐れになってしまうのです。
塗料の種類により耐久性・メンテナンス性は大きく異なる
塗料の種類によって耐久年数は大きくことなります。
最も廉価なアクリル塗料の耐久年数は3~5年です。塗料の価格が安いため一度の塗装費用は安く済みますが、頻繁に塗り替えが必要になるため、長い期間でのトータルでのメンテナンスコストはかえって高くなってしまいます。
耐用年数が長い超耐久性の塗料の代表格が「フッ素塗料と無機塗料」です。フッ素塗料の耐久年数は15~20年、無機塗料の耐久年数は20~25年です。
外壁をメンテナンスフリーに近づけるためには、フッ素塗料や無機塗料などの耐候性に優れた塗料を使用することが重要です。
耐候性に優れた塗料を使用することで、将来的なメンテナンスの手間やコストを省くことができるので、よりメンテナンスフリーに近づけることができます。
無機塗料は、非常に高い耐久性・耐候性があること以外にも、カビコケが繁殖しにくい、燃え難いなど多くのメリットもあります。
無機塗料を使うことで、外壁へカビ・コケなどが発生することを防ぎ、外壁を長期間、美しく保つことができるようになります。
湿気が多くカビなどが生えやすい地域にお住まい方には大変適したメンテナンス性の高い塗料と言えるでしょう。
無機塗料は不燃性の無機物を主原料としているため、非常に火に強く、燃えにくいという特徴もあります。近所で起こった火事などが飛び火してきても燃え移りにくいため、被害を受ける確率を低くすることができる防災性に優れた塗料です。
【塗料の種類】 塗料ごとの特徴と耐用年数 一覧
塗料の種類 | 塗料の特徴 | 耐用年数 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 耐久性が他の塗料と比べて低く、耐用年数が短いため、塗り替えで外壁塗装に使用されることは少ない。 | 3~5年 |
ウレタン塗料 | シリコン塗料が外壁塗装用塗料として一般的になる前に広く普及していた塗料。 | 5~8年 |
シリコン塗料 | 建築塗料市場において80%のシェアを占める人気塗料。価格と耐久性のバランスが良い。 | 8~12年 |
フッ素系塗料 | 耐久性、防汚性、耐熱性、耐寒性、不燃性にも優れた高品質塗料。頻繁な塗り替えが難しい大型ビルや商業施設で使用されるケースが多い。 | 15~20年 |
無機塗料 | 紫外線に強く、耐久性が高い。耐用年数が20年以上と極めて長いのが特徴。高機能な高級塗料。 | 20年~25年 |
ポイント(2)|目地材の耐候性を高める
レンガやタイルなどの無機物(石や粘土)を原料とする外壁材は、極めてメンテナンスフリーに近い外壁材です。しかし、外壁材と外壁材の間で接着材の役割を果たしているコーキングやモルタルなどの目地材は劣化します。
そのために、目地部の振動や伸縮に柔軟に対応し、水密・気密性に優れた高耐候性コーキング材を使用するなど目地材の耐久性・耐候性を高めることによって、よりメンテナンスフリーの外壁材に近づけることができます。
まとめ
外壁を可能な限りメンテナンスフリーな状態に近づけるには、高性能・高グレードの外壁材・塗料・目地材を使うことになるので、初期コストが高くなるのは避けられません。
しかし、初期コストが高くなったとしても、将来的なメンテナンスの手間とコストを削減できることを加味すれば、長期的な視点で見れば費用と手間を抑えることができる賢い選択といえます。
あと何年、今の家に住むことになるのか考慮しながら、専門業者と相談した上で、どの外壁材・塗料・目地材を選ぶべきか決めましょう。
「ハウスペイントアゲイン」の外壁塗装で実現できる3つのポイント
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