【外壁塗装時の注意点】塗料が乾燥する前にやってはいけない3つのポイント

【外壁塗装時の注意点】塗料が乾燥する前にやってはいけない3つのポイント

外壁塗装をする際は、費用面のこと、どんな種類の塗料を使うか、どんな色にするかといったことに関心が向かいがちです。

塗料の種類と色さえ決まってしまえば後は「塗装業者さんにお任せ」と気が緩んでしまう方が多いことでしょう。

しかし、その気のゆるみが失敗のもと。

塗装作業中や塗装後に塗料が完全に乾燥するまでのプロセスにも注意が必要です。

塗料が完全に乾燥する前に塗装個所を触ってしまって塗料が剥がれてしまうという事例は意外に多いものです。

そこで今回は、『外壁塗装のプロ』が塗料が完全に乾燥するまでのプロセス、塗料が乾燥するまでにやってはいけないこと、注意すべき点について解説します。

外壁塗装・外壁の塗り替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事は、こんな人におすすめ!

この記事は、こんな方に読んで貰いたい記事です。

  1. 外壁や屋根の塗り替えを検討されている方
  2. 外壁塗装中、塗装後に注意すべき点について知りたい方
  3. 外壁・屋根の塗り替えに失敗したくない方

塗料の乾燥と外壁塗装の耐久性の関係

近年、塗料メーカーでは高機能塗料の開発が進み防水性、耐熱性、耐候性、防汚性など、耐久性能が極めて高い塗料がたくさん開発されています。

しかし、どんなに優れた塗料で塗装しても、直ぐにその耐久性能が発揮されるわけではありません。

塗料に含まれる水分や溶剤が乾燥することで塗膜が作られ、しっかりとした塗膜が作られることによって、はじめて外壁を保護することが出来るようになります。

塗料が内部までしっかり乾燥し、塗膜が作られた状態でなければ、その耐久性能は発揮されません。塗料を十分に乾燥させることは外壁塗装の耐久性を確保するうえでとても大切なことなのです。

塗料の乾燥にはどれくらい時間が必要なのか?

外壁塗装の塗料が乾くまでにはどれくらいの時間が掛かるのでしょうか?

塗料が乾燥するまでの時間は塗料の種類により異なりますが、気温23℃前後の場合で、表面がある程度乾燥するまでには最低でも3~6時間必要とされています。

塗料の乾燥時間と天候との関係は?

外壁塗装は室外で行われる作業ですので、天候によって乾燥時間は大きく異なります。

気温が高いと乾燥速度も速くなり、気温が低いと乾燥に時間が掛かります。

湿度も乾燥時間に大きな影響を与える要因です。湿度が低いと乾燥までの時間が短くて済みますが、湿度が高いほど乾燥までに時間が掛かります。

ですので、気温が高くても湿度の高い梅雨の時期は乾燥までの時間が長くなります。

気温の低い冬場でも、湿度が低くからっと晴れた日なら比較的乾燥時間が長く掛からずに済みますが、気温が低く天気の悪い日には乾燥までに長い時間が掛かります。

気温が5℃以下の寒い日や湿度が85%以上あるジメジメした日は、塗料を十分に乾燥させることができないため、基本的に外壁塗装が行えません。

  1. 気温が高く・晴れて湿度が低い日=短時間で塗料が乾燥する。
  2. 気温が低い日・天気が悪く湿度が高い日=塗料の乾燥に時間が掛かる。
  3. 気温5度以下、湿度85%以上の日は外壁塗装は行えない。

塗料の種類と乾燥時間の関係は?

塗料の乾燥時間は、塗料の種類によっても変わってきます。

一般的に、水性塗料より溶剤塗料の方が速く乾燥します。

水性塗料は水分が蒸発することによって塗膜をつくるため、気温が低いと水分が上手く蒸発せず乾燥に時間が掛かってしまうからです。

特に水性で弾性塗料の場合は乾燥までに時間が掛かります。

弾性塗料は、外壁がヒビ割れしないように、塗膜に厚みと弾力性を持たせて使用されるため、塗膜に厚みをもたせることが必要です。厚みがあるため、内部まで完全乾燥するのに時間が掛かってしまうのです。

水性塗料、特に水性の弾性塗料は乾燥までに時間が掛かる

塗料の乾燥プロセス

塗料は、指触乾燥→半硬化乾燥→硬化乾燥→完全乾燥の4つのプロセスを経ることで完全に乾燥します。それぞれのプロセスについて解説しましょう。

塗料の乾燥プロセス(1)「指触乾燥」

指触乾燥は、塗装後1~2時間程度経過し、指で軽く触っても塗料が指につかない、指先で押してもベタつかない状態の初期段階の乾燥状態のことを指します。

指触乾燥はまだ中までは乾燥しておらず、安心して重ね塗りはできない状態です。指で強く押してしまうと跡が残ってしまいます。この段階では塗装面に触れないようにしましょう。

塗料の乾燥プロセス(2)「半硬化乾燥」

半硬化乾燥は、塗装後数時間~1日経過し、塗装表面を指先で擦っても塗面にすり跡が付かない状態のことを指します。

半硬化乾燥でも、まだ中までは乾燥していない状態です。半硬化乾燥まで乾燥が進めば、重ね塗りをしても大丈夫ですが、この段階でも、指で強く押してしまうと跡が残ってしまいます。職人以外の人が塗装面に触れてはいけません。

塗料の乾燥プロセス(3)「硬化乾燥」

硬化乾燥は、塗装後1週間程度経過し、塗面の中央を指で押しても跡や凹みが付かない状態のことを指します。

ただし、内部が完全に乾いた状態ではありませんので、あまり強く押してしまうとトラブルの原因になります。軽く触れる程度なら構いませんが強く押したり、物を立て掛けたりしないようにしましょう。

塗料の乾燥プロセス(4)「完全乾燥」

完全乾燥は塗装後2週間以上経過し、塗装内部が完全に乾燥した状態のことを指します。

完全乾燥まで乾燥が進めば、指で押した程度では問題はおこりませんが、塗装面に強い衝撃や負荷を掛けてしまうと塗膜の劣化の原因になりますので、強くたたいたり押したりするような行為は極力控えるようにしましょう。

■塗料の乾燥プロセス

  1. 指触乾燥(塗装後1~2時間程度。指で軽く触っても汚れない状態)
  2. 半硬化乾燥(塗装後数時間~1日経過。軽く擦っても塗装表面に跡がつかない状態)
  3. 硬化乾燥(塗装後1週間程度経過。指で押しても塗装表面に跡がつかない状態)
  4. 完全乾燥(塗装後2週間以上経過し、塗装内部が完全に乾燥した状態)

塗料が乾燥する前の注意点「やってはいけない3つのポイント」

それでは、外壁塗装が乾燥するまでに絶対にやってはいけないポイントについて解説していきましょう。

せっかく外壁を塗り替えてきれいになっても、乾燥前に触ってしまって直ぐに塗膜が剥がれてしまったといったトラブルが起こります。

そういったトラブルや不具合を起こさないためにも、乾燥前にやってはいけないこと、注意点についてご紹介します。

塗料が乾燥する前にやってはいけないポイント(1)「乾燥したかどうか直ぐに触って確認してはいけない」

外壁の塗装が完了したあと、どうしても気になって自分で触って確認してしまう人も少なくありません。特に小さいお子さんのいるご家庭ですとお子さんが興味本位で触ってしまうことが良くあります。

塗料が完全に乾燥して触っても大丈夫な状態になっているかどうかは、経験を積んだプロの職人でなければ判断ができません。

外壁塗装は、外見では乾いているように見えても、内部はまだ乾燥していないことがあります。

実際に塗料の乾燥というものは塗装のプロでも難しいもので、「完全に乾燥した」と判断が行えるまでには相当な経験が必要です。

指触乾燥の状態でも一見して乾いていそうに見えますが、内部はまだ乾燥していません。

内部が完全に乾燥していない状態で触れてしまうと塗料の接地面がずれて剥がれたり、表面にしわが出来たりといった不具合が起こってしまいます。完全乾燥する前には触らないようにしましょう

塗料が乾いているか気になって確認してみたくなる気持ちはわかります。しかし、素人判断で触ってしまうと塗装剥がれなどの不具合が起こるリスクが高くなります。最低でも塗装後数日間は触れないようにしましょう

お子さんがいるご家庭では、お子さんに「塗装面に触れないように」良く言い聞かせておいてください。

塗料が乾燥する前にやってはいけないポイント(2)「塗装した箇所に物を立て掛けてはいけない」

塗装内部が完全に乾燥するまでには、塗装してから2週間以上掛かります。気温が低い冬場では内部が完全に乾燥するまでにはもっと時間が掛かることがあります。

完全に乾燥する前に、塗装した外壁に物を立て掛けると、立て掛けた物に塗装がくっ付いてしまい、塗装面が剥がれてしまったり、部分的に凹んでしまったりすることがあります。

外見上、乾燥しているように見えても最低数日間は外壁に物を立てかけたりしないようにしましょう

特に、ゴム製品、ビニール製品は塗装にくっ付きやすい性質があるので注意しましょう。

また、弾性塗料はヒビ割れなどの修復のために用いられるため軟らかく伸びの良い塗料で、完全に乾燥するまで物がくっつきやすいので注意が必要です。

施工後、日にちが経過し塗料が完全乾燥すれば徐々に物がくっ付きにくくなっていきますが、弾性塗料を外壁に使用した場合は、塗装後半年くらいは外壁に物を立て掛けないようにした方が良いでしょう。

塗料が乾燥する前にやっていけないポイント(3)「塗装した外壁の周辺で屋外作業をしない」

完全乾燥前の状態でも塗装作業が終われば、洗車、芝刈り、草木の剪定など屋外作業をしたくなることがあるかもしれません。

塗装した外壁に直接触れなければ問題はないように思えるかもしれませんが、洗剤を含む水が外壁についてしまったり、土埃や芝、草などが塗装面に付いてしまう可能性があります。

完全乾燥前に洗剤の成分や土埃などの異物が塗装面に付いてしまうと塗膜剥がれなどの不具合の原因になります塗装が完全に乾燥するまでは屋外作業は控えたほうが良いでしょう。

塗料の乾燥について、お客様から良くある質問

お客様から良くある質問のなかから、塗料の乾燥に関する質問をピックアップしましたので、外壁塗装の塗り替えをされる際の参考にしてみてください。

塗装作業中に雨が降ったらどうなるの?

塗装後24時間経てば、雨に降られても塗料が流れてしまう心配はありません。

しかし、塗装作業中に雨が降ると塗料が流れ落ちてしまいます。ですから、基本的に雨の日に塗装作業は行いません。

天気の良い日が続く時期を選んで塗装作業をするのがベストです。

塗料の種類によって乾燥時間は異なります。ご心配な方はご自宅の塗り替えに使用した塗料のパンフレットを施工業者に見せて貰い、乾燥時間を確認してみましょう。

塗料が乾燥し難い天候や時期のときに行う塗り替えの注意点は?

気温が低い冬場や天気が悪い日、湿度の高い日は塗料が乾燥するまでに時間が掛かりますので、十分な乾燥時間を取る必要があります。

乾燥待ちの時間が無駄に感じる方もいるかもしれませんが、乾燥時間を十分に取らないと施工不良の大きな原因となり、塗り替え後1年ほどで塗装剥がれ・色落ちなどの不具合が発生してしまいます。

短い工期で済ませようと、職人を急かせたりしないようにしましょう

塗装業者は、早く作業を終わらせれば施工数をこなせるので利益が出ます。また、お客様も速く塗り替えが終わったほうが良いと考えるかもしれません。

しかし、業者に早く作業を進めるよう急かすのは外壁塗装には大きなマイナスです。

外壁塗装は、どんなに急いでも1週間から10日は掛かります。天候などの影響によっては作業を休まなければいけない工事です。

乾燥時間が必要なことを依頼主が理解することで、職人も良い施工が実現でき、外壁塗装の寿命を延ばすことに繋がるはずです。

早く乾燥させたい場合はどうしたら良いでしょう?

乾燥の速さで塗料を選ぶなら水性塗料よりも溶剤塗料をお勧めします。

ただし、溶剤塗料はシンナーなどの溶剤が含まれているため、人体や環境への悪影響などへの配慮が必要な場合があります。小さなお子さんがいるご家庭は、塗装業者と相談しながら溶剤塗料を使用するか決められると良いでしょう。

塗装後直ぐに塗装剥がれが起こってしまった場合はどうなるの?

外壁の塗り替えをして直ぐに塗装が剥がれてしまった場合、乾燥不足の状態で重ね塗りをしてしまったといった施工不良・手抜き工事の可能性があります。

剥がれの原因が「乾燥前に塗装面に触れてしまった」といったお客様の過失や故意でない限り、良心的な業者であれば無償で修理対応してくれるはずです。

契約前に、もし直ぐに不具合が起こってしまった場合の対応やアフターメンテナンスについて塗装業者に確認しておくことをお勧めします。

例えば、当社のケースでは3年、5年、7年、10年と定期的にお客様のお宅をお伺いさせていただき建物の痛み具合のチェックを行い、より長く建物の寿命を伸ばしていけるようにアフターメンテナンスを行っています。

乾燥不足による施工不良の事例を教えてください。

塗料の種類や気象条件にもよりますが、一般的に塗装後数時間~1日経過し半硬化乾燥まで乾燥が進めば、重ね塗りをすることが可能です。

下塗り後に作業を1日空け、十分な乾燥時間を確保してくれる優良業者もいる反面、作業時間短縮のために十分な乾燥時間を確保していない業者も少なくありませんので、注意が必要です。

乾燥時間をしっかり守らないと乾燥不足が原因でヒビ割れ・剥がれ・付着不良などの初期不良が発生します。

■塗料の乾燥不足によるトラブル事例

  • 剥がれ
  • ヒビ割れ
  • しわ
  • 色ムラ
  • ベタつき

【まとめ】作業前に注意事項を塗装業者に確認しよう!

塗り替え作業に関する業者の説明は、塗料の種類や費用についての話が中心です。

塗装業者からすると、施工期間中は外壁に触れないだろう、直ぐに物を立て掛けたりしないだろうといった思い込みから、「乾燥前に触らないように」「直ぐに物を立て掛けたりしないように」という注意をしない業者も少なくありません。

お客様の関心も費用面に向かってしまうことが多いと思いますが、不具合やトラブルを防ぎ塗装を長持ちさせるためにも、塗料の乾燥」についても注意を払い、しっかり確認しておきましょう。

塗装業者から注意がないと「直ぐに触っても大丈夫」と思ってしまったり、どのタイミングで触ってもいいのかわからなかったりしますよね。

分からないこと、不安なことは、業者に直接聞いてみるのがベストです。

良心的な業者はお客様の質問に丁寧に答えてくれるはずです。

外壁塗装は、乾燥をしっかり行うかどうかで、見栄えも耐用年数にも大きな差が出ます。

施工業者を選ぶ際、工事費ばかりに関心が行きがちですが、塗装作業中や作業後の注意事項についても丁寧に説明してくれる業者を選ぶようにしましょう。

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  2. 「下請けを使わない完全自社施工」「営業マンを雇わず無駄な人件費をカットする」といった企業努力で余計なコストを徹底カット。他社に比べ20%以上も安い工事費用を実現。
  3. 「3年、5年、7年、10年」と定期的にお客様のもとにお伺いし、建物の痛み具合などをチェック。万全のアフターメンテナンスを実施。

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